最高裁判所第一小法廷 昭和32(オ)415 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人弁護士土井一夫の上告理由一ないし四について。
しかし、原判決は、所論の証拠だけで所論の事実を認めたものではなく、所論の
証拠その他原判決挙示の証拠を綜合考察して認定したものであることその判文に照
し明らかであり、そして、その挙示の全証拠を綜合すれば、所論一摘録にかかる原
判決の事実認定を肯認することができるのである。されば、所論は、結局原審が適
法になした証拠の取捨、判断ないし事実の認定を非難するに帰し採るを得ない。
同五について。
しかし、原判決は、所論の契約の相手方は控訴人(被上告人)である旨を認定判
示しているから、原判決には所論の違法は認められない。
同六について。
しかし、記録によれば、上告人(原告、被控訴人)は、本訴請求原因として昭和
二六年三月二六日本件未完成の建物をD諒承の下にその所有者Eから信託的に譲渡
されたことを前提として主張したものであるところ、原判決は、本件建物の所有権
がEに帰属することを認めなかつたものであり、その認定は、その証拠並びにその
証拠によつて認められる原判示の事実関係に照し肯認できるから、原判決がEが本
件建物の所有権を有することを前提とする譲渡行為を無効とし、被控訴人の本件建
物の所有権を有することを前提とする本訴請求を排斥したのは正当であるといわな
ければならない。されば、所論は、原審が適法になした事実認定を非難するか又は
自己の主張に副わないか若しくは原判決に影響を及ぼさない法令違背を主張するに
帰し、採るを得ない。
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同七について。
記録によれば、原審において屡々裁判所の構成に変更のあつたことは所論のとお
りであるが、その都度適法な弁論の更新をしていることも明らかであり、しかも、
裁判官の過半数が更迭した場合に従前訊問の証人につき更に訊問の申出をなした事
跡も認められないのであるから、原判決には所論の違法は認められない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔
裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 下 飯 坂 潤 夫
裁判官 高 木 常 七
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